マスターデータとは? 意味・重要性・具体例など解説
「マスターデータ」という言葉を聞いたことはありますか? 何やら難しそうに聞こえるかもしれませんが、組織や仕組みを円滑に動かすためには欠かせない、非常に重要なデータです。
本記事では、マスターデータとは何か、その意味と定義、重要性、具体例について、分かりやすく解説します。
目次
マスターデータとは?
マスターデータとは、事業を進める過程で繰り返し参照してさまざまな業務に用いる基盤のデータのうち、中長期的に変化しない静的なデータのことをいいます。
顧客情報、商品情報、従業員情報などが代表例で、事業を営む上で欠かせないデータの一つです。
一般的にデータベースで管理され、複数の担当者やシステムが参照できるよう、共有して使用されます。
なぜ? マスターデータが重要な理由
マスターデータは、事業活動を円滑に進める上で欠かせない情報です。従って、適切なマスターデータが揃っていないと、さまざまなデメリットや問題を抱えることになります。
たとえば、次のような状況に陥ることが考えられます。
- 業務に必要な情報を毎回収集・作成しなければならず、業務効率が下がる
- 社員間で余計なコミュニケーションが繰り返し発生し、業務効率が下がる
- 重要なデータを収集・分析することができず、経営判断や業務上の意思決定を間違う
- 業務効率の低下や判断ミスにより無駄なコストが増える
こうした問題を避けるため、どのようなマスターデータが必要か見極め、適切に管理する仕組みを整える必要があります。
マスターデータの種類と具体例
マスターデータは、その用途に応じて仕様を作り込んでいくべきものです。従って、たとえば同じ「顧客マスタ」であっても、事業者によってその中身は少しずつ異なっているのが普通です。
ここでは、その中でも、もっとも基本的なマスターデータの具体例を紹介しましょう。
1. 顧客マスタ
顧客に関する基本情報をまとめたデータです。BtoC事業者なら顧客の氏名・住所・決済情報など、BtoB事業者なら顧客の社名・担当者名・連絡先などの情報を含むデータになります。
- 顧客ID
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
2. 商品マスタ
取り扱っている商品に関する基本情報をまとめたデータです。卸先の小売事業者や出品先のECプラットフォーム、POSシステム、在庫管理システムなどで商品を管理する際に使用するマスターデータになります。
- 商品コード(商品ID)
- 商品名
- 商品説明
- 販売価格
- 商品カテゴリ
商品マスタの作り方や管理方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】商品マスタとは?作成方法・管理手順・設定方法など基礎解説
3. 従業員マスタ
従業員に関する基本情報をまとめたデータです。労務管理や人材管理に使用します。
- 社員番号
- 氏名
- 所属部門
- 役職
- 連絡先
マスターデータとトランザクションデータの違い
マスターデータと混同されがちな用語に「トランザクションデータ」があります。
トランザクションデータとは、業務の過程で発生するイベントや取引のたびに記録されていくデータのことです。たとえば、顧客からの注文記録、従業員の出退勤記録、ウェブサイトへの訪問記録などがトランザクションデータにあたります。
区分 | マスターデータ | トランザクションデータ |
---|---|---|
定義 | 企業活動の基礎となる静的なデータ | 業務の過程で発生する動的なデータ |
例 | 顧客情報、商品情報 | 注文情報、勤怠情報 |
更新頻度 | 低い | 高い |
データの寿命 | 長い | 短い |
マスターデータとトランザクションデータの最大の違いは、データの更新頻度と寿命です。
マスターデータは、顧客情報や商品情報など、比較的変化が少なく、中長期にわたって利用される静的なデータであるのに対し、トランザクションデータは、日々発生する注文情報や勤怠情報など、頻繁に更新され、時間の経過とともに利用価値が低くなる特徴を持つ動的なデータです。
マスターデータ管理(MDM)とは?
マスターデータ管理(MDM:Master Data Management)とは、組織内のあちこちに散らばっているマスターデータを一元的に管理する仕組みや取り組みのことです。
マスターデータを一元的に管理しておらず、部門・担当者がそれぞれ独自にマスターを作成しているケースでは、たとえば次のような問題が発生することになります。
データの重複
同一顧客であるにもかかわらず、異なる顧客IDで複数のデータとして登録されている。
データの不整合
ECカートシステムの顧客住所が更新されているのに、CRMシステムの顧客情報は旧住所のままになっている。
データのサイロ化
各部門が独自の形式でデータを管理しており、部門・チーム間でデータの共有や連携が難しい状態になっている。
マスターデータの管理が難しい理由
こうした背景から、マスターデータ管理の適正化を目指している事業者は少なくありません。しかし、上手く解決できている事業者は非常に限られているという現実があります。
それは、なぜでしょうか。
日本ではこの十数年、あらゆる業務にITを活用したソフトウェアやツールが導入され、DX化が進められてきました。
その結果、各ソフトウェアやツールが機能的にカバーしている範囲の特定業務の効率は格段に上がりました。
しかし一方で、複数のシステム・ツール間のデータを、マスターデータとして統合管理する難易度も上がってしまったのです。
マスターデータ管理のお悩み、解決します。
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ビズリポでは、多種多様なデータを一定のルールに従い自動変換し、システム上のマスターデータベースに保持。同時に、多種多様な形式・接続方法で外部に配信することができます。
これにより、複数のシステム・ツールのデータを、統合的なマスターデータに自動変換して一元管理することが可能。
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